人生が苦しい。しんどい。
仕事や家族・人間関係がうまくいかずに、そんなふうに思うこと、ありますよね。
そんなときに思い出してもらいたい物語があります。
老人と馬の物語。
ある老人が馬を飼っていました。
その馬はたいそう美しい馬で、ある品評会で賞をとりました。
隣人がお祝いを伝えようと、彼に会いに行ったところ
「何が良くて、何が悪いかなんて、誰にもわからないよ。」
と老人は答えるのみでした。
—-
次の日、品評会の噂を聴いた泥棒が老人の家に忍び込み、その美しい馬は盗まれてしまいました。
隣人は老人に同情しましたが、老人はまたこのように言いました。
「何が良くて、何が悪いかなんて、誰にもわからないよ。」
—-
それから数日後、その美しい馬は泥棒の家から逃げ出し、野生の美しい馬たちの群れに加わり、その馬たちを連れて帰ってきました。
隣人は老人のことをお祝いしようとやってきましたが、彼はまたこう言ったのです。
「何が良くて、何が悪いかなんて、誰にもわからないよ。」
翌日、野生の馬を調教しようとした老人の息子が落馬し、足を骨折してしまいました。
隣人は、悲しみを分かち合おうと老人のもとを訪ねましたが、彼はいつものセリフを言うのみでした。
「何が良くて、何が悪いかなんて、誰にもわからないよ。」
—-
その翌週、軍隊が村を通りがかり、若者たちを強制的に徴兵して戦争に連れていきました。
しかし、老人の息子は徴兵されませんでした。なぜなら、彼は骨折していて、歩くことができなかったからです。
隣人は、一人でこう思いました。
「何が良くて、何が悪いかなんて、本当に誰にもわからないな。」
<完>
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人間万事塞翁が馬。
これは「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)。」という故事成語のもとになった物語と、「Tao Book and Card Pack(Timothy Freke著)」に記載されていた物語をベースに、筆者である私、河野が全体的に追記・脚色したものです
参考:
「人間万事塞翁が馬」または単に「塞翁が馬」の形で用いられる故事成語。人生、何が起きてもそれが幸不幸どちらに転じるかは予想できない、といった意味の表現。
Weblio辞書より
この物語の通り、人生において、何がよくて何が悪いかなんて、誰にもわかりません。
良いことが原因で、悪いことが起きたり。
悪いと思ったことが、良いことにつながったり。
これが人生です。
苦しみは嘆き、歓びはお祝いする。
しかし、私たちはこの物語の老人のように、達観した姿勢にはなかなかなれません。
悪いことが起きると、ショックを受けるし、悲しい気持ちになります。
一方で、良いことが起きると、嬉しい気持ちになります。
様々な気持ちが沸き上がっているのに「感情が無いフリ」をしても苦しみが増すだけ。
なので、私たちのような普通の人間は、苦しいときは「苦しい」と言い、泣きたいときは「しっかり嘆く」こと。
自分の気持に素直でいることが心のつらさを和らげる処方箋になります。
自己共感という技術も役に立ってくれるでしょう。
また、苦しみやつらさ・悲しさを誰かに聴いてもらって共感してもらえれば、より一層苦しさは癒やされるでしょう。
一方、もしこの先、嬉しいことがあったなら、しっかりお祝いしましょう。
お祝いすることもとても大切なこと。
嘆くこと、お祝いすることは、滞った命のエネルギーを巡らせてくれます。
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同時に、この物語で示される真理も心に留めておく。
あの老人のように達観できない私たちにとって「自分の気持に素直でいること。」「健全かつ適切に嘆くこと。」「お祝いすること。」はとても大切ですが、
同時に「一喜一憂しすぎない。」ことも大切です。
未来を憂いたり、過去を嘆くことはほどほどにして、
「何が良くて、何が悪いかなんて、だれにもわからない。」という人生の真理を心に留めておきましょう。
「自分の心に素直になること」と「何が良い・悪いなんて決してわからない。」という相反する考え方の両方を持っておくことが、苦しい時にあなたの心を支えてくれます。
あなたが今、苦しいなら。
「今の苦しさ・つらさ」が、未来において「あのときの苦しさがあったから、今の自分がある」と誇れるようになる時が、きっときます。
あのときの失恋があったから。
あのときの失敗があったから。
あのときの苦しさがあったから。
あのときの不合格があったから。
あのときの親との葛藤があったから。
あのときの離婚があったから。
あのときの内定取り消しがあったから。
あのときの解雇があったから。
あのときの事故があったから。
あのとき鬱になったから。
だから、今の誇れる自分がいる。
そう思える日が来ることを信じて、今のつらさを乗り越えていきましょう。
焦らなくても大丈夫。
あなたがこの記事をここまで読まれている、ということは、それだけ今を「なんとかしたい」と思っている証拠。
まずはその気持を認め、一歩ずつ歩んでいきましょう。
(もちろん、状況によっては歩みを止めて、しっかり傷を癒やすことが最優先の場合もあります。そういうときは、立ち止まって癒やしに時間をかけましょう。)
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ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。
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