心を整理することに難しさを感じている、という声をよく聞きます。
そして心の整理をうまく行うために絶対に知っておきたい概念の一つとして、
「サブパーソナリティ」というものがあります。
自分がよくわからないときがある。自己理解を深めたい。もっと心の整理が上手になりたい。そんな方はぜひ本記事を最後までご覧ください。
Contents
サブパーソナリティ=心の中の多様性とは。
私たちは「一貫した自己・自分。一人の人間。」として生きていると思いがちです。
ですが、この考え方だと自分に対して理解できなかったり、混乱が起きたり、内なる葛藤を超えていくことができなかったりします。
逆に「様々な人格(パーソナリティ)が、自分の内側に存在する」と考えたほうが辻褄があったり、楽になったりするんです。
この「様々な副人格が一人の人間の中にいる。」という概念を「サブパーソナリティ(副人格)」という言葉で表現しています。
この概念、わかりやすい例で言うと、恋人と一緒にいるあなたと、会社で上司と話しているあなたは違いますよね。また、父親、母親といるときもちょっと違うでしょう。
他にも、お酒を飲むと人が変わる人。急に虎になる人(笑)。
上司と部下で全く対応が異なる人。
職場ではできるビジネスパーソンで、ご近所さんにも人当たりが良いのに、家庭ではパートナーに暴君や子どものように接する人。
これらは、内面に存在する様々なサブパーソナリティ(副人格)が必要に応じて表舞台に出てきている、ということなんです。
サブパーソナリティとして他にも、内なるリーダーや裁判官、優等生、八方美人、勇敢な戦士、臆病者、など様々な人格を持った存在が私達の中に存在します。
ちなみにインナーチャイルドもサブパーソナリティの一つです。
サブパーソナリティという呼び方は長いので、この記事ではここから「サブちゃん」と呼びますね。
スポンサーリンク
苦しみ・内なる葛藤はサブパーソナリティ同士の争い。
心が苦しかったり、内側に葛藤がありそうな時、そして心を整理したい時にこのサブパーソナリティ、サブちゃんという概念を知っているととても助けになります。
たとえば、仕事を頑張りたいのになぜか頑張れない、力が湧かないときってありませんか?
そういうときは、「頑張り屋サブちゃん」や、「他人の期待に応えたい、応えなきゃサブちゃん」がいて、彼らは頑張りたいけど
今までさんざん頑張ってきたので休みたい、といった「休息サブちゃん」や「自分を大切にしたいサブちゃん」がついに出てきて、両者が綱引きをして葛藤しているかもしれません。
サブちゃんの概念を知らないと、頑張れない自分を鞭打ったり責めたりして余計苦しくなるかも知れません。
ですが、心の中の多様性、サブちゃんの概念を知っていると「そうか、がんばり屋の他者の喜び優先の自分と、休みたかったり、自分を大事にしたい自分が葛藤しているんだな。」と「自分の内側で起きていること」を理解できるようになるのです。
そして自分の内側で起きていることがわかると、心の整理は格段にやりやすくなります。
日常的に起こっているサブパーソナリティ同士の葛藤
実はこのような「内なるサブパーソナリティ同士の葛藤」は、よく観察すると日常的に起こっていること。
たとえば、もっとパートナーに優しくしたいと思うのに、ついついわがままを言ってしまったり、イライラしてしまったり。
これは大人の成熟したマインドのサブちゃんと、もっと甘えたい、愛されたいと思っているインナーチャイルド、子ども意識のサブちゃんの葛藤です。
他にも、
友人との諍いで傷ついて、悲しい気持ちなのになぜか泣けない。苦しい感覚が内側にある。
こういった場合にも、サブちゃん同士の争いが起こっている可能性大です。
あなたの内側の一人目、「繊細で傷つきやすいサブちゃん」は傷つき、悲しみを受け入れて泣きたいと思っています。
しかし、一方で「完璧主義の自分」は、友人と争いになってしまったことを受け入れられず、自分を責めます。「あなたが悪いんだ」と自分自身に繰り返し言い続けます。さらに泣くことも許しません。
結果、泣きたいのに泣けなくて、なんだか苦しい、という状態になっているかもしれません。
そしてどんなサブパーソナリティも、実は「大切にしたいこと」があり、そこから行動しています。彼ら・彼女らなりの善なる意図から行動しているんです。そこも腑に落ちると、さらに内面は穏やかになっていきます。
まさに内なる平和、調和が少しずつ実現していけるのです。
スポンサーリンク
サブパーソナリティの概念を心の整理に活用する。
苦しいとき、モヤモヤしているとき、前に進みたいのに進めないとき、そういった時にこの概念を思い出して、心の中を観察してみましょう。
ジャーナリングで思いついたまま心の声を書き出すのも効果的です。
サブちゃんの概念を意識しながら書き出していると、自分の中の複数の声に気づきやすくなります。
そして複数の声、相反する声たちが明らかになっただけで、不思議と心はある程度スッキリ整理されるんです。ここまでで充分の場合が多いです。
もし時間的な余裕がなくて、どちらかのサブちゃんを選択しなければいけない場合、選択しなかったサブちゃんに「今回は大事にできなくてごめんね」と心のなかで声をかけてあげましょう。
自分の中の声を明らかにせずに、なんとなく勢いで結論を出したときと、このように声を明らかにしたあと、選ばなかった声にもしっかり声掛けする。
ここまでやると、その後の心の整理度合いや選んだものへの納得度合いは段違いに高くなります。
こういったことを積み重ねることでより心が整理されてスッキリした状態で過ごせる時間が増えていきます。
とは言え、こういった内的な探求が最初は難しく感じる方もいるでしょう。
そういった方は、まずはこの概念、サブパーソナリティというものがあるんだ、自分の中にはいろんな人格が存在するんだ、という認識だけでも充分です。
知っておくと、ふとした瞬間 サブちゃん同士の葛藤が起きていることに気づけるようになりますから。
心の知恵と技術は一生モノ。
一生モノの知恵と技術を身に着けて、みんなでどんどん楽になっていきましょう。
ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ
ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。