愚痴は自分で言っていても結局スッキリしないし、人の愚痴を聴いていてもイライラしますよね。
愚痴に対しては多くの人が「良くないもの」「言ってはいけないもの」「人を不快にさせるもの」という認識を持っています。
しかし、時には愚痴を言いたくなるのが私たち人間。
この愚痴とどう付き合っていけばいいのか。
本記事では正しい愚痴との付き合い方を「愚痴は宝物」というフレーズをキーにして、ご紹介します。
これを知っているかどうかで、愚痴への気持ちが大きく変わります。

そもそも愚痴とは何か?
[名]言ってもしかたのないことを言って嘆くこと。「くどくど―を並べる」
デジタル大辞泉より。
言っても仕方ないこと。
たとえばこんな愚痴たち。
「どうしてうちの会社はこうなんだ。」
「なんでうちの夫は家事の一つも手伝ってくれないんだ。」
「うちの部長がまた何か言い出したよ。また面倒が増えるだけなんだろうな。」
ただ、こういった愚痴も、よくよく見ていくと「宝物」になっていくんです。
なぜ「宝物」になっていくのか。それは「愚痴が生まれる仕組み」を紐解くと明らかになります。
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愚痴が生まれる仕組み。
愚痴は何故うまれてくるのでしょう。
愚痴とは「なにかに対して嘆いている。」ということ。
ということは、愚痴の奥に願いがあったり、大事にしたいもの、理想の状態があるわけです。
「うちの会社は・・・」
と言っている人は、
「もっとこんな会社だったらいいのに。」
「うちの夫は(妻は)・・・」
と言っている人は、
「もっとこんな夫(妻)でいてほしい。」
という願いや理想の状態があるわけです(本人が願いがあることを自覚しているかどうかは別です)。
愚痴がでてくるということは、
「願っている状態が実現していない。」「願いと現実にギャップがある。」ということ。
この「理想と現実のギャップ」が原因で「悲しい」「腹が立つ」「残念」「心配」などの感情が生まれます。
私たちはネガティブな感情を避けるために愚痴を言う。
しかし、私たちは無意識に「悲しい」や「腹が立つ」といったネガティブな感情を感じること・味わうこと・経験することを避けがちです。
この「自分の内側に存在するのに、感じることを避けているネガティブな感情」があると、心は居心地が悪くなります。
私たちは、この居心地の悪さを少しでもごまかすために、一生懸命愚痴を言うわけです。
たとえるなら、ネガティブな感情でいっぱいになって圧力が高まったお鍋が、爆発しないように少しずつでも、感情のエネルギーをガス抜きしているような状態です。
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愚痴がでてくるということは諦めていない証拠。
考えてみてほしいんですが、
完全に諦めていたら。
大切にしたいものが無かったら。
願う状態が完全に無かったら。
愚痴は出てきません。
ただ、淡々と日々を過ごしていくことになるでしょう。
そりゃあ、願いが無いわけですから。
なので、改めて言いますが、
愚痴が出てくる、ということは、願いがある証。諦めていない証(本人がそのことに気づいているかどうかは別として)。
だから「愚痴は宝物」と言えるのです。
愚痴に対してこの認識でいると、世界が変わって見えます。
自分の愚痴に対する正しい対処法。
つい愚痴を言ってしまっていたら、その事に気づいてまずは優しく受け止めましょう。
「あぁ、なにか願いがあって、それが満たされてないから愚痴を言いたい気持ちになっているんだな。」
と。
間違っても愚痴を言っている自分を責めないでくださいね。
余計苦しくなってしまいます。
もちろん、愚痴を肯定するからと言って、どんどん人に浴びせましょう、という話ではありません。
まずは自分の中で肯定的に受け止めることが大切。
そのうえで、ノートに愚痴をばーっと書き出しましょう。頭に浮かぶまま、文句や愚痴を書き出すのです。
浮かんだまま書き出すテクニックはジャーナリングと呼ばれています。ジャーナリングの詳しいやり方は以下の記事を参考にしてください。
そうすることで、圧力鍋の圧力を少しでも下げるのです。
さらに、
「私が愚痴でごまかそうとしているのは、どんな感情だろう。悲しみ?怒り?絶望?その他?」
と自分に問いかけてあげましょう。
そして、
「私はこの愚痴の奥に、どんな願いをもっているんだろう?」
「その願いを大切にするために、私にできる ほんの小さな小さな一歩はなんだろう?」
と問いかけてみてください。
すぐには答えは見つからないかもしれません。
しかし、愚痴を言っている自分を優しく受け止め、願いに意識を向けるだけで、愚痴を言っていた状態からは心理的に変化が起こるのです。
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人の愚痴との正しい接し方。
また、人の愚痴に接したときも
「あぁ、この人は願いを持っているんだな。」
「この愚痴の奥に、この人はどんな願いを持っているのかな。」
と思いながら、聴いてみてください。
※とは言え、津波のように愚痴をものすごい勢いで言い続ける方もいらっしゃいます。(相当感情が溜まっているのでしょう。更に言うと、相当願いが強い可能性も高いです。)その場合、いくらこの「愚痴は宝物」の考え方をもっていても辛くなることもあります。もし物理的に離れることができる相手なら無理にその場に留まらずに、「あ!用事を思い出した!」などと言って離れることが精神衛生上、オススメです。
もし愚痴を言っている相手をサポートしたいなら、
1.感情に共感する。
2.相手が大切にしたいと思っていそうなことを伝える。
ということを試してみてください。
たとえばお酒を飲み過ぎのパートナーに対する愚痴が延々と続く人に対して
「それは心配ね。」(感情に共感)
「パートナーには元気で健康でいて欲しいものね。」(相手の願いの仮設を立てて伝えてみる)
もしかしたら、愚痴一色だった相手の話の内容が少し変わるかもしれません。
とは言え、変わらないかもしれません(笑
残念ながらコミュニケーションで「100%効果のある特効薬」はありません。
しかし変わる可能性も確実にあるので、過度な期待をせずに実験のつもりで試してみてください。
おわりに。
「愚痴は宝物」というフレーズは、私が企業研修をしていた頃、研修の中で必ずと言っていいほどお伝えしていたものです。
多くの企業戦士たちは、社内社外の人間関係でたくさんのストレスを抱えていました。
ですが研修では前向きなことを考えなければならい。それはとても苦しいことです。
なので、研修の冒頭で「愚痴は宝物」というフレーズをお伝えして、時間を決めて「思いっきり愚痴る時間」を設けていました。
みなさん、怒涛のように、嬉々として愚痴をお互いで言い合って、共感したり笑いあったり。
愚痴を一定時間、出し合ったあとは、みなさん心がスッキリ・余裕ができて、研修に前向きに取り組んでくださっていました。
愚痴が出てくるということは、願いがあるから。愚痴を取り除くと、願いが出てくるんです。
もしあなたが自分のことを「愚痴が多い」と思って少しでも責めているなら、その考え方はこの記事をきっかけに180度見方を変えてください。
あなたは大きな願いを持った素晴らしい人です。
ただ、自分の「愚痴」「感情」や「願い」との付き合い方を知らなかっただけ。
この考え方を少しずつ日常に取り入れて、より良い毎日をつくっていきましょう。

そして、効果があればお友達にもシェアしてあげてくださいね♪
ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。
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