この記事では、ネガティブ感情や嫌な気持ちに振り回されそうになったときの対処法をお伝えします。
科学的な根拠もあるこの対処法を行うことで、ネガティブ感情を軽減、うまくいけばスッキリ、心を落ち着けることも可能になります。
さらに、対処法の6つのポイントも後半でお伝えします。
この6つのポイントを抑えることで、効果がぐっと変わりますので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
Contents
ネガティブ感情への対処法・結論
最初に結論をお伝えします。
ネガティブ感情への効果的な対処法は、
自分のネガティブな感情や感覚を言葉にしていく
というものです。
これは 感情ラベリング、または情動ラベリングと言われるメソッドで、自分の感じている感情にラベルを貼るように言葉を当てはめることからこのように呼ばれています。
ちなみに念の為の確認ですが、言葉にする、といってもネガティブ感情のきっかけになった相手に直接ぶつけるという話ではありません。
自分の心の中や、一人になったときの独り言として、言葉にする、ということです。
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感情ラベリング 3つの研究結果
感情ラベリングがどんな効果があるか、ここでは3つの研究結果をご紹介します。
1.蜘蛛恐怖症克服プログラムでの結果
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で、クモ、あの8本足のクモ、そのクモ恐怖症の克服のプログラムが作られました。
そのプログラムの中の一つのステップとして、感情を認めて言葉にするかしないかでどのように克服度合いに影響するかを調べる心理実験が行われました。
これがなかなか驚きの結果が出ているんです。
クモ恐怖症の人たちを3グループに分けて、3つの介入を行いました。
1つ目のグループは「楽観的思考」。
「皆さんの前にいるこのクモは、小さいしそれに無害です。」などと説明しました。
2つ目のグループは「経験の回避」。
「ところでデンタルフロスを使ったのはいつでしたか?」などと尋ねて関心をそらしました。
この2つは私達も日常でよくやりますよね。楽観的に考えようとしたり、機を紛らわせようとしたり。
そして3つ目のグループは「情動のラベリング」。
今感じている気持ちを認めて、識別し、その感情を言葉にするように指導したんです。
参加者たちは、クモの身体の毛が気味が悪いとか、クモに噛みつかれたりするのではないかと思って怖い、などと気持ちを言葉で表現したそうです。
これら3通りの介入の有効性を評価したところ、最初の2つ、楽観的思考や経験の回避を使ってクモに対する恐怖心に打ち勝つように人々を訓練すると、かえって前よりも悪い状態になってしまいました。
一方、感情を認めて言葉にするように訓練された人たちは長期的に見て最も大きな効果がありました。
グループ3の人々はクモに対して恐怖が18.1%低下。
またクモを見せられたときの身体的反応も27.5%も低下したんです。
要は、怖さから気をそらしたり、ポジティブな状態に変えようとするのではなく、怖さというネガティブな感情をを認めて言葉で表現したほうが、結果的に怖さが減っていった、ということなんです。
2.ストレス下におけるアルコール摂取量
ある調査において、ストレスを感じている時、自分の気持をその微妙なところまで正確に語ることが出来る人は、自分の感情を明確に捉えられない人に比べ、バーやパーティで消費するアルコールの量が40%も少ない、という結果が得られています。
3.いじめや挑発を受けた際の対応
自分の感情を豊かな語彙を使って表現できる人は、自分の感情を明確に捉えられない人に比べ、いじめや挑発で自分を怒らせた相手に対して言葉の暴力や腕力を振るうことが40%少ない。ということも明らかになっているんです。
言葉にすることが脳に作用し、ネガティブ感情を軽減する
これらの研究結果から明確に言えることは、
・私達はネガティブな感情を避けがちですが、実はそれらは逆効果であること。
・自分の中にネガティブ感情があることを認め、さらに言葉で表現することがネガティブ感情への効果的な対処法であること。
なぜなら、感じていることを認め、言葉で表現することで恐怖や怒りなどの感情を司る脳の一部「扁桃体」の活性を抑えられるからなんです。
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感情ラベリングで効果を得るための6つのポイント
このネガティブ感情を認め言葉にする、という方法で効果を発揮するためにポイントがあるのですが、ここでは6つお伝えします。
1.感情の語彙を増やす
様々な研究結果、そして私がコーチングをしていてクライアントさんに起こる変化から言えることは、「ピッタリくる言葉」が見つかると効果が高くなる、ということです。
なんかモヤモヤ よりも さみしい。や 孤独感。
なんか苦しい もいいんですけど、罪悪感 や 自責の念
怒り もいいけど、腹が立つ、とか、憎たらしい とか。
私はコーチングの中でピタッと自分の状態が言い表せた途端意識がシフトする、という場面を何度も目撃しています。
もちろん毎回この様になるわけではありませんが、できるだけピタッとくる言葉を当てはめられるように、普段から感情の言葉を自分の中に増やしておく、というのはとても大切なポイントになります。
こちらの記事に感情の言葉を載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。
2.パズルのピースを当てはめるように
実際にモヤモヤザワザワし始めて 感情ラベリングをする場合、パズルのピースを試すように、一個ずつ自分に問いかけていきましょう。
「イライラしてるのかな。」
「腹が立ってるのかな。」
「怒ってるのかな。」
「悔しいのかな。」
自分の体の内側に意識を向けながら言葉を確認していくと、ピタッとくる言葉が見つかりやすくなります。
ピッタリのものが一つ当てはまったとしても、まだ感情が残っていそうなときは、他の感情もある=もともと複数の感情を抱えていた、ということ。
この場合も2つ目のピースを当てはめにかかりましょう。
たとえば「腹が立つ」がピッタリきたけれど、まだ何かありそう。そういう場合さらに探求して、「悔しいもあったんだ!」と気づければさらに感情は落ち着いていくでしょう。
3.評価判断しない
これは他の記事でも繰り返し伝えていることですが、ネガティブな感情になっている自分を責めないようにしましょう。
自分がイライラしてることにイライラするってあるじゃないですか。
それはイライラすることが良くない と思っているから。
そうなってくるとややこしくなるし対処が複雑になるんです。
なのでジャッジしないのが大事なんですが、もしジャッジしそうになったときは、こんなふうに自分に語りかけてあげましょう。
「世界中の誰もがイライラすることがある。ネガティブ感情を抱くことがある。私だけじゃない。
そしてネガティブ感情も人間としての必要な経験であり、大切な自分の一部なんだ。」
と。
繰り返し言葉をかけていくことで イライラしている自分を受容していけるようになります。
4.できるだけ詳細に言葉にしてみる
先程ご紹介した研究結果の2や3で示されたことは
豊かな語彙や微妙なところまで表現すればするほどネガティブ感情に振り回されなくなる、ということ。
なので、まずは感情の言葉を当てはめつつ、より豊かな語彙や微細な表現にチャレンジしてみましょう。
形容詞や比喩、感情の強度、色、形、身体感覚などで探求するのがオススメです
例えば、「悲しい」という感情の言葉がピッタリきたらさらに「どんな悲しみなのか」を探求してみるのです。
形容詞または比喩:例えばどこかに沈み込むような悲しみ。溢れてきそうな悲しみ。崩れ落ちてしまいそうな悲しみ。
強度:例えば10段階で言ってみる。「10段階で8くらいの強さの悲しみだな。」
身体感覚:「胸の真ん中あたりにきゅーっとした感覚とともにある。」
色や質感、形:「薄いブルー」「ぼんやりしたグレー」など
などなど。
こんなふうに自分の感情に意識を向けて様々な観点から表現することにチャレンジしてみましょう。
いきなり例のような表現できなくても、少しずつ意識することで確実に表現力は高まり、比例してネガティブ感情への対処=低減させ、振り回されていくことが少なくなります。
5.小さな感情からはじめる
感情ラベリングというメソッドも、一つの身につけるべき技術です。
未習得の段階でいきなり強めの感情から行ってもうまくいかないことがほとんどでしょう。
なので、まずは小さな感情からトレーニングを始めましょう。
ちょっとモヤモヤ、ザワザワ、イライラ。
このあたりからスタートさせて、少しずつ強めの感情にシフトしていくことをおすすめします。
6.強い感情の場合の対処法
感情のエネルギーがとても強い場合、たとえば強い怒りなどの場合は感情ラベリングで追いつかない場合もあります。
ので、まずは大きな呼吸をしながら6秒待ちましょう(アンガーマネジメントのメソッドで、6秒待つと冷静さを取り戻せるというものが根拠になっています)。
さらに必要なら安全な場で感情を解放して、内なるエネルギーを減らしましょう。
怒りのエネルギーへの対処法は別の記事で紹介していますのでまだの方はぜひご覧ください。
以上が感情ラベリングを行う際の6つのポイントになります。
感情ラベリング・まとめと参考図書
ネガティブ感情も私達の大切な一部。
そして生きている限りネガティブ感情が無くなることはありません。
少しずつトレーニングをしていくとで、ネガティブ感情とうまく付き合っていきましょう。
今回ご紹介した研究結果などはこちらの書籍に紹介されています。より詳しく知りたい方はこちら手にとって見てはどうでしょうか。
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ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。
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