ショックなことや、腹が立つこと、悲しいことがあって、その後、気持ちが苦しい。
仕事が忙しすぎて、気持ちがいっぱいいっぱい。なかなか苦しい気持ちがおさまらない。
苦しい気持ちから思考がぐるぐるまわって、夜も寝にくい。
そんな状態になること、ありますよね。
この記事では、こういった心が苦しいときの正しい対処法をお伝えします。
Contents
苦しい気持ちの原因は、痛みへの抵抗。
苦しい気持ちはなぜ起こってくるのでしょう。どこから発生しているのでしょうか。
実は苦しみは、現実に起きていることや、心の痛みに抵抗しているから生まれるんです。
このことは、瞑想指導者Shinzen Youngが表した公式が端的に表しています。
苦しみ(Suffering)=痛み(Pain)×抵抗(Resistance)
ショックなことや、腹が立つこと、悲しいこと、ストレスを感じること、こういったことは生きている限り避けて通れません。
ですが、私達はこういった現実を受け入れず、「なんでこんなことが起きるんだ。」「こんなこと起きるわけがない!」と起きた出来事に抵抗しようとします。
また、起きた出来事で生まれた感情(痛みや悲しみや怒り)を認めることが出来ず、無意識レベルで感じることに抵抗してしまいます。
または、そんな感情は無いものとして自分から分離(切り離し)させようとします。
するとモヤモヤや重たい感じの苦しい気持ちが生まれるのです。
痛みに抵抗して、気分を変えようとしたり、無理やりポジティブになろうとする行為は、苦しみが生まれ、さらに自分を傷つけることになりうるのです。
なぜなら、傷ついた自分・自分の心の痛みを無視することになるから。
自分の中に分断を作ってしまうから、苦しみが生まれるのです。
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苦しみと痛みの違い。
ここで、簡単に「苦しみ」と「痛み」の違いを述べておきましょう。
一概に「絶対にこうだ。」とは言えませんが、大きく捉えると両者の質感やエネルギーは異なります。
苦しみとは、重さや閉塞感があり、身体が収縮していくエネルギーを持っています。そのままそれを感じ続けてもあまり変化が感じられない、変わっていかないような、滞った質感も持っています。
一方、痛みは悲しみなどの感情として湧き上がります。また、心の痛みではあるのですが、同時に肉体的な痛みを感じることもよくあります(たとえば胸が刺すように痛かったり、張り裂けそうな感じがしたり)。
痛みを感じることができると、感情のエネルギーが動き出し、流れ出します。そしてそのまま流し続けると、最初の質感から別の質感に変わっていくような、そういう自由と変容のエネルギーも感じられます。
感覚的なことなので言葉でお伝えする難しさはあるのですが、両者のエネルギーや質感の違いは伝わったでしょうか。
苦しい気持ちへの正しい対処法
もしあなたが苦しい気持ちを抱えているなら、
今起きている現実や、痛みに抵抗する(または無いことにして切り離そうとする)のではなく、今起きている現実を受け入れ、苦しみの奥に心の傷・痛みがあるということをまずは認めましょう。
その上でその痛みに対してハートをひらいて、感じてあげましょう。
感じることで湧き上がってくる感情があるなら、それを止めずに表現してあげましょう。
たとえば、
もし悲しみがあるなら、涙を流すことを許可すること。怒りがあるならそのことを認め、誰も傷つかない形で表現してあげること。
そうすることで、悲しみや怒りは別の感情に移り変わっていきます。
そしてその移り変わる感情をそのまま感じ続けてあげると、少しずつですが不思議と苦しみは減っていき、スッキリ感が増してくるのです。
これが心の苦しさに対する正しい対処法になります。
みなさんの中には、たとえば失恋したときや、何かとてもショックなことがあったときに、その事実を受け入れ、号泣したり大泣きした経験がある方もいるでしょう。
それが出来たときって、スッキリして立ち直りが比較的早かったんじゃないでしょうか。
人は現実を受け入れ、その現実から起きている痛みを認め、それを感じることができれば、痛みの感情は消化されていき、別の感情に移り変わっていくのです。
そして命のエネルギーが巡りだして、自然と前を向いて歩んでいけるようになるんです。
子どもが大泣きしたあと、ケロッとするのもこの仕組からです。
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痛みを感じることは簡単ではありません。
とは言え、自分の中に痛みがあることを認め、それを感じること、心をひらいていくことは簡単ではありません。
ここまで読まれて、「自分には難しそうだな。」と思われた方も多いでしょう。
それも当然のこと。
こういったことを教えてもらう機会は我々に提供されてきませんでしたから。
私達の多くは、幼少期からの経験や教育から「心の痛みは良くないものだ」という誤ったコアビリーフ(信念)を身に着けてしまっています。
大げさに言うなら、
「痛みを認めたら、感じたら死んでしまう。」
「自分は心理的な痛みに耐えられない。もし感じたらおかしくなってしまう。」
といったことを信じている未成熟な意識が私達の心の中に存在するんです。
そして無意識に 心の痛みが生まれてもそれに抵抗するように、無視するように自分自身を躾けてしまっているんです。
痛みを感じるための4つのポイント
上記のように強い信念を持っていなくても、痛みに抵抗する(分離したり切り離す)癖がある場合、痛みを認め、痛みを感じることは簡単ではありません。
かくいう私も過去はそうでした。
なので焦らずゆっくりいきましょう。
以下に痛みにハートを開いていくための5つのポイントをご紹介します。
1.問を持って内側に意識を向ける。
「気持ちが少し重い」
「最近イライラしがち」
そういったときは、「痛みに抵抗しているかもしれない」という問いをもつ習慣を身に着けていきましょう。
そして、この問とともに、日常で 人やスマホやパソコン、テレビなどの外に向けている意識を、自分の内側に向けるようにしましょう。
これがスタートです。
2.(感じられなくても)痛みを認める。
さらに、心が苦しい時、まずは痛みがあることを認めるようにしましょう。
たとえ痛みが感じられなくても大丈夫。
「自分の中に痛みがあるんだろうなぁ。もしかしたら怒ってる自分もいるかもしれない。いずれにせよ、その痛みに今、直接触れることは出来ないけれど、傷ついている自分がきっといる。」
そう思うところから始めましょう。
2.書き出す
ノートにその気持を書き出す、というのも効果的です。
ただひたすら感じていることを書き出すのも良いですし、さらに上級編として以下のような問を自分に投げて、自分なりに答えを内側で探してみる、というのもとても効果的です。
・今、自分はどんな気持ちに抵抗しているんだろう。
・どれくらいの痛みなんだろう。
・どんな質感の痛みなんだろう。
・その痛みが言葉を発することができるなら、どんなことを言うだろう。
・その痛みに対して自分はどんな言葉をかけたいだろう。
自分に問いかけてみて、何も答えが返ってこなくても大丈夫です。ただ問いかけるだけでも、無視されていたあなたの痛みは喜んでいるはずです。
3.親友が傷ついているかのように、自分に語りかける。
自己共感という方法も効果的です。
痛みを直接感じられなくても、傷ついている親友に接するように、言葉をかけてあげましょう。
「それはつらかったね。」
「どれだけ悲しかっただろう。」
「それは腹が立ったよね。」
といったふうに、ご自身の胸やお腹に手を当てながら声をかけてあげましょう。
なにかのエネルギーの動きを内側で感じられるかもしれません。
以下の記事も参考になります。
4.身体に意識を向ける癖をつける
そしてさらに進められそうな方、進めたい方は身体に意識を向けてみましょう。
痛みに限らず、全ての感情は身体にやどります。
胸の内側や、お腹のあたりに意識を向けてみて、何かエネルギーや感覚を感じるか、探ってみましょう。
もし痛みを感じられたなら、素晴らしい!
その痛みにゆっくり優しく繊細に注意を向けていきましょう。
もし感情表現したくなったら(涙が流れそう、怒りのエネルギーを表現したい、等)自分自身の許可を出してあげましょう。
その際はゆっくりの呼吸で。ゆっくり穏やかな深い呼吸は自分自身に安心感をもたらします。
ですが、そういったことが起こらなくても大丈夫。
「今は何も感じないなぁ。自分は今はそういう状態なんだな。」と受け止めてあげましょう。
痛みを避けることが正しいこと、と思ってずっと頑張って避け続けてきたのです。すぐに痛みを感じられなくて当たり前です。
そんななか、痛みを感じようと内側に意識を向けたんですから、結果はどうあれ、すごいことです!
ご自身をたっぷり認めてあげてくださいね。
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痛みについて伝えたいこと。
いかがだったでしょうか。
自分の一部を分離させたり、切り離しを重ねていく 分断された生き方から
自分の痛みや影の部分をも認め、受容し、統合していく生き方はとてつもないギフトを私達にもたらしてくれます。
自分を分離させていないので、心が平和で穏やかになります。
自分の中の分断がつながりに変わっていくので、今まで以上に自分とのつながりが感じられるようになります。
そうなると、人とのつながりも今まで以上に感じられるようになります。
人以外の存在とも今まで以上につながりが感じられるようになります。
もちろん、傷ついたりショックを受けることは無くなりませんが、そこからの立ち直りが段違いに早くなります。
そして、傷を認め、感じ、そこから立ち直るたびに自分が成長し、傷つきにくい心を得ていけるようになるのです。
もちろん、こういった状態に一気に変化成長できることはありません。
芽が出たばかりの植物が花を咲かせるようには、時間が必要。
また、コツや勘所を得ていくには、感情のスペシャリストに一時期伴走してもらうのもとても効果的です。
「目標達成のために前に進むだけではなく、様々な内なる声を大切に聴いていき、統合していく。」という私のコーチングスタイルはクライアントさんからとても好評をいただいています。
以下の画像をクリックするとコーチングのページに移動します。
お一人で歩むにしても、誰かに伴走してもらうにしても、
不完全な自分に寛容さを持って探求の旅を続けていけば、必ず痛みとも仲良くなっていけるようになります。
歩んできた私が言うんですから、間違いありません。
あなたが苦しみの道ではなく、統合の道を歩んでいかれることを願っています。
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ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。