「自分と向き合いたいのに、どうすればいいかわからない。うまくできない。」
そんなふうに思うこと、ありますよね。
本記事では、自分と向き合って気持ちの整理をするために大切な9つのポイントを、ある女性の悩みを例にしながら解説します。
Contents
自分と向き合い方がわからないある女性の嘆き。
先日、ある女性にコーチングをさせていただく機会がありました。
とても効果的に自分と向き合われたことが印象的だったので、名前を伏せる(ここではAさんとさせていただきます)という条件でご本人の許可を得てケースとして紹介させていただきます。
—–
都内の私立大学を卒業後、製薬会社に研究職として勤務。
40代前半で管理職に。
大手金融機関で管理職をしている夫、そして2人の娘さんにも恵まれ、高層マンション暮らし。
誰もが羨むような人生を歩んでいる、勝ち組とも言えるAさん。
ですが、彼女の内面は苦しみに満ちていました。
もちろん仕事は楽しい。やりがいもある。
しかし、いくら頑張っても自分を認められない。
どこまで頑張ればいいのか、自分でもわからなくなっている。
いつもなにかに急かされているような感覚がある。
いつも何かを考えて、心配している。
心に安らぎが無い。
モヤモヤざわざわしている。
娘二人のことを愛おしいと感じられない。
夫との関係も一見問題無いように見えるが、心のつながりが感じられない。
なんのために生きているのか、頑張っているのかわからなくなる瞬間がある。。。
自分の気持がわからない。自分とどう向き合っていいかわからない。
—-
このようなことを苦悩の表情を浮かべながら正直に吐露してくださいました。
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受け止め、問いかけることで気持ちが整理されていく。
私はただAさんに寄り添い、共感し、そして時に内側に向かうような問いかけを重ねていきました。
そして「こんなふうに見えますよ。」と感じたことを伝えていきました。
その関わりでゆるやかに、確実に明らかになっていったことは、
「もっと結果を出せ。もっと完璧な結果を出すんだ。」と自分を追い立てているもうひとりの自分=仕事熱心で厳しかった母親のエネルギーが内側にあること。
もっと娘たちを愛したい、一緒に過ごしたいのに仕事のせいで過ごせていない。自分の母親と同じことをしてしまっていることへの罪悪感。
夫に対しては、蓋を開けてみると怒りの感情が渦巻いていました。
仕事ばかりで、共働きなのに家事を自分からはしようとしないその姿にイライラしながらも「私がもっと効率的にしっかりやればいい話。」と自分に言い聞かせて頑張っていたのです。
心の中では完璧主義者が主導権を握っていた。
Aさんの中にいる母親の影響で生まれた「完璧主義者」が主導権を、人生のハンドルを握り、完璧でない自分を責め続けていたことが苦しみの大きな理由の一つでした。
そして、「完璧なんて無理。」と嘆いているもうひとりの彼女は心の内側で発言どころか存在することも許されず、心の奥底に封印されていました。
「無理。」「もう疲れた。」「もっと認めてよ。」
心の奥底に隠していた自分の声に触れた時、Aさんは沢山の涙を流しました。
たくさんの涙を流したあと、
「こんな自分が心の中にいたんですね。。。自分のことってわからないものですね。」
ポツリとそうおっしゃったのが印象的でした。
もちろん全てが解決したわけではありませんが、
「気持ちの整理がだいぶつきました。これが自分と向き合うということなんですね。」
「自分がどうしていきたいのかも少し見えてきました。」
「まずはここまで頑張ってきた自分を認めてあげます。そして、娘たちとの時間を増やしていきます。夫とも向き合ってみます。」
最後にこういったときのAさんは、話し始めた時とは別人のような希望を感じている表情でした。
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自分と向き合うために大切な9つのポイント。
彼女が一回の対話でここまで深く自分と向き合えたのは、以下の9つを押さえていたからです。
1.ごまかさず、内側に意識を向ける。
まず「焦っている。」「落ち着かない。」「ざわざわモヤモヤする。」をしっかり認めること。
こういう感情は不愉快なので私たちはついついお酒やスマホやTV、食べ物、甘い物なのでごまかそうとしがちですが、内側にそういった感情やエネルギーがあることを認め、時間をとってそこにしっかり意識を向けることが大切です。
これこそが自分と向き合う第一歩です。
2.書き出す・または人に聞いてもらう。
私たちはつい、自分の頭の中でぐるぐると考え続け、気持ちをなんとか整理しようとしがちです。しかし、この方法は同じところを堂々巡りする可能性が高く、効果的ではありません。
ノートに書き出すなり、誰かに聴いてもらうなり、自分の外側に表現することで整理が進みます。
ノートに書き出す場合、ジャーナリングという手法がオススメです。
彼女の場合、私が聴き手になって整理のお手伝いをしました。
自分と向き合って気持ちを整理したい時は、人を選ぶことが大切です。
コーチやセラピストにお願いするのが理想ですが、そうでなくても天然でフラットに人の話を聴くことが出来る人を知人・友人の中から探してみましょう。
間違ってもアドバイス好きの人や、評価判断の傾向が強い人にお願いしないこと。
3.心の中の多様性に耳を傾ける。
自分と向き合うことが難しいときは、往々にして「複数の感情やエネルギー」が内側に存在するものです。
なので心の中にどのような感情やエネルギーが存在するのか、耳を澄ましてみましょう。
彼女の場合、「もっと頑張れ」「何をやっているんだ」「だから駄目なのよ」といった完璧主義者の声が心の中心にあり、影響力を発揮していました。
まずはこういう声があることを認めること。
また、こういう「責める声」がある場合、必ず「責められている側」も心の中に存在します。
ので、『心の逆サイドに「責められている側」がいるはず』という仮説のもと、心の中を探求してみましょう。
もちろんそれ以外の声も存在する可能性はありますので(彼女の場合、「娘さんたちへの罪悪感」「夫への怒り」、というのもありました。)、聴いてもらったり、書き出したりしながら自分の中の多様な声に耳を澄ますことが大切です。
内側の多様な声に気づけば気づくほど、気持ちの整理は進みます。
4.何が出てきても評価判断しない。ただありのままを認める。
自分と向き合う上で大事なのは「評価判断しない」ということ。
自分の中にどんな声があったとしても、それをただ「あぁ、そういう気持ちがあるんだな。」と認めることが大切です。
なぜなら、「そういう気持ちは持っては駄目」と思っていると、大切な気持ちに気づかないことが起こりえるからです。
また、評価判断してしまうとそれぞれの自分の気持の言い分が汲み取れず、自分の気持の全体像が見えなくなります。
5.出てきたエネルギーに名前をつける。
心の中の登場人物(多様性)が見えてきたら、それに名前をつけると整理が進みます。
人は自分の感情・感覚にピタッとはまる言葉が見つかると気持ちが落ち着くという不思議な性質を持っています。
彼女の場合、
「母親の声=心の中の完璧主義者。」
「完璧主義者に責め続けられているもうひとりの自分。」
「娘さんたちへの罪悪感や後ろめたさ。」
「夫への怒り。」
こういった「自分にぴったりくる言葉」で、心の中の状況をまるっと表現してみましょう。
ここまで出来るとかなり気持ちの整理が進んでいるはずです。
6.(必要に応じて)感情を味わう。
内側に存在する感情・エネルギーの中である程度大きなものについては、気づいただけでは「自分と向き合った」ことにはなりません。
どんな感情も良い・悪いはありません。ただ、あなたの内側にあるエネルギーなんです。
ですので、その感情を味わい、表現して流していくことが自分と向き合ううえではとても大切です。
味わい、表現することで気持ちの整理も大きく進みます(一部例外はあります。たとえば「思考が延々と作り出している未来に対する不安」などはいくら味わっても気持ちの整理が進まないので注意が必要です。)
彼女の場合、「自分で自分を責めて苦しかった。」「もう疲れた。」という感情について涙を流す(味わう)ことで気持ちの整理が大きく進みました。
7.願いに気づく
ここまでのポイントを押さえてきたら、自然と「本当はこうしたかった。」という気持ちに気づきます。
「自分の願いや大切にしたいものに気づくこと。」
これが自分と向き合って得られる一番のギフトかもしれません。
整理されていない、混乱の気持ちの中では奥底に埋まって決して気づかない気持ち。
しかし、自分と向き合って整理を進めると、まるでかぶっていたホコリが取りはらわれるように視界がよくなり、本当の気持ち・願いに気づけるようになるのです。
彼女の場合、
「もっと自分を認めたい。認めて欲しい。」
「娘たちを愛したい。」
「夫にももっと言いたいことを言って、協力しあって生きていきたい。」
こういった願いたちが最後にクリアに発見されました。
あなたが取り組む場合、気持ちの整理が進んできたら、「今回のことで気づいて欲しがっている私の願いはなんだろう。」と自分に問いかけてみてください。
すると、自然と「次に自分が何に取り組むべきか」という気持ちの整理の次のステップ=行動に移ることが可能になります。
8.期待しない。焦らない。
1度や2度、自分と向き合ったからといって劇的に変化が起きることを期待することはやめましょう。期待すると、結果が得られなかった時に必要以上に落ち込みます。
Aさんの場合も、今後も自分の中の完璧主義者との付き合いは続くでしょうし、パートナーとの対話によっては理想の状態から遠ざかる可能性もあり得ます。
結果を焦らずに「自分と向き合い続ける。」という姿勢が大切です。
9.自分を認める。
ノートに書き出すなり、聴いてもらうなり、いずれの方法をとったとしても、
そして結果としてうまく向き合えようが、うまくいかなかったとしても、
「自分と向き合おう」と思って実際に行動に移したご自身のことをしっかり認め、労ってあげてください。
なぜなら、自分と向き合うことはとても勇気のいること。
たとえば「今の人生に満足していない。」「今の彼は本当は好きじゃなかった。」といった不都合な真実に直面するかもしれないからです。
しかも、とてもエネルギーの要ることです。
勇気と行動力を持って「自分と向き合う」ことに挑戦したら、必ずご自身を認めてあげてほしいと思います。
自分を認めることで、また次の機会にしっかりと自分を認めることが可能になります。
人生の質は、「どれだけ自分と向きあえるか」で決まる。
私たちの多くは、自分の心の中で何が起きているか、に気づいていません。
心はとても複雑で、そして多様な声に満ちています。
そんな複雑で多様な自分の心とどう向き合うのか。
その方法を知らないと(またはごまかし続けていると)、いくら成功しても、経済的に豊かになっても、(Aさんのように)勝ち組になっても
人生の内面の質は高まりません。
自分がイマイチなのは誰かのせい、と原因を外に求めたり、混乱したり、モヤモヤざわざわしたり、幸せや感謝を感じづらい状態のまま日々を過ごすことになります。
一方、自分と向き合う力が高まると、
気持ちがすばやく整理され、外部環境の影響は小さくなり、歓びや幸せ、感謝の気持ちを感じる時間が長くなっていきます。
本当に自分が大切にしたいことを大切に出来るようになっていきます。
もちろん外部環境の影響を受けはしますが、その影響を最小限にしていくことが私たちには可能なのです。
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理論を理解し、練習を積み重ねることでできるようになる。
上記の9つのポイントをいきなり完璧に出来る人はごく少数でしょう。
ですが、
自転車に乗れるようになったときのこと
(または何かの乗り物を運転できるようになったときのこと)
を思い出してみてください。
いきなり完璧に運転できませんでしたよね?
最初はいっぱい転びましたよね。
「自分と向き合えるようになること」もこれらと同じなんです。
まずは理論やコツをしっかり頭で理解し、その上で沢山実践すること。
そして身体でやり方を覚えていくこと。
これが「効果的に自分と向き合えるようになる」ために不可欠なことです。
私達がより良く生きていくには、こういった自分との向き合い方や、心のメカニズムについての知識と技術が必要です。
「人の心理や心のメカニズムに興味があるという方」には、有益な情報をYouTubeでも発信しています。
また、自分と向き合って見たいけれどもいきなり自分ひとりで向き合うのは難しそう、という方は、気軽にコーチやセラピストに相談してみてください。
「目標達成のために前に進むだけではなく、様々な内なる声を大切に聴いていき、統合していく。」という私のコーチングスタイルはクライアントさんからとても好評をいただいています。
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河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。
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