「どうすれば「人生を良くする」ことができるのか、わからない。」
「より良く生きていくための指針や考え方が知りたい。」
こういった声を最近よく耳にします。
価値観が多様化し、未来が見通せない今の時代、こんなふうに思うのはとても自然なことです。
そういった方に「人生をより良くするための極意」を、ネイティブアメリカンのチェロキー族に伝わる寓話を材料にお伝えします。
Contents
チェロキー族の寓話
チェロキー族の老人が孫に人生についての教えを話しています。
「私の中で戦いが起こっておる。それは恐ろしい戦いであり、2匹の狼の間で起こっている争いじゃ。」
「一匹は悪の狼。
彼は怒り、妬み、悲しみ、後悔、欲、傲慢、自己憐憫、罪悪感、恨み、劣等感、嘘、偽りのプライド、優越感、そしてエゴの狼じゃ。」
老人は続けて話します。
「もう一匹は良い狼じゃ。
彼は喜び、平和、愛、希望、静けさ、謙虚さ、優しさ、博愛、共感、寛大さ、真実、思いやり、信頼の狼。」
「同じ戦いがお前の中でも行われている。そして、他のすべての人の中でも、じゃ。」
孫は少し考えてから祖父に尋ねました。
「どっちが勝つの?」
チェロキー族の老人は答えました。
「お前が餌をやったほうじゃ。」
<以上、寓話終わり。>
※上記の寓話は以下のサイトを参考に河野が翻訳したものです。
https://urbanbalance.com/the-story-of-two-wolves/
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私達には選択する力がある。
寓話のメッセージはシンプルです。
・すべての人の中に、良い狼と、悪の狼、両方が存在すること。
・より良く生きるためには、良い狼が内なる戦いに勝利し続ける必要があること。
・そして、自分が餌をやったほうが勝利すること。
こういったメッセージとともに、この寓話から伝える最も大切な「人生の極意」は、
「どちらに餌をやるかは、私達が選べる。」
「どちらの狼的生き方をするかは、自らの意思で選択できる。」
ということです。
人生の様々な局面(恋人や夫婦・パートナーシップ、人間関係、仕事、地域など)において、良い狼を選ぶのか。それとも感情や内なる悪に押し流され、悪の狼を選んでしまうのか。
この選択の積み重ねで、大きく人生が変わっていくことは容易に想像できるでしょう。
ですが、良い生き方を選択し続けることは簡単ではありません。
しかし、常に良い狼に餌をやり続ける=選択し続けるには強靭な意志の力が必要です。
しかも、私達の中で悪の狼が抗えないくらい大きくなるときがあります。
たとえば、
人生が逆境のとき。
苦しい状況やつらい局面のとき。
激しく傷ついたとき。
過去の傷が大きく刺激されたとき。
自分は必要とされていない、愛されていない、と感じるとき。
こういったときに、悪の狼の力は一気に増大します。
良い狼を押さえつけ、私達の意識を乗っ取ろうとしてきます。
それでも良い狼を選択し続ける、というのはかなり骨が折れる作業です。
私達は状況によって、強大になった悪の狼に屈してしまうことが少なくありません。
では、どうすればこのシンプルな極意=「良い狼を選び続けること」ができるのでしょうか。
実は「悪の狼」の力を弱める方法があるのです。
(ここからはチェロキー族の寓話を材料としつつ、筆者である私、河野の学びと経験から培った個人的な意見になります。)
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悪の狼が自分の中にいることに気づく。
悪の狼の力を減らす最初の一歩は、「気づく」こと。
私達は、自分の中の悪をついつい、無いことにしがちです。
この態度は「自己欺瞞」や「切り離し」と呼ばれます。
この「なかったコトにする」心の態度では、悪の狼の力を削ぐ事はできないどころか、実は無意識レベルであなたに大きな影響を与え続けてきます。
具体的には様々な人間関係のこじれや、争い、断絶といった形で現実世界に現れます。
たとえば、あなたの中に「傲慢さ」があったとして、自分はそんな部分はない、と自分に対して無意識レベルで隠していたとしましょう。
しかし、人間関係において様々な小さなメッセージ(表情やちょっとした言葉遣い)でそれは表に出てしまい、相手に不快なインパクトを与えます。
その結果、人間関係のトラブルや破綻が起きてしまうのです。
このような無意識レベルからの悪の狼に対処するには、「気づく」ことが不可欠です。
身勝手さ、恐れ、傲慢さ、未熟さ、劣等感、偽りのプライド、等々。
こういった要素が自分の中にあること。それがふとした瞬間、漏れ出ていることにまずは気づいていきましょう。
悪の狼を全肯定する。
自分の中に悪の狼がいることに気づいたなら、その次はその存在を「全肯定」しましょう。
実は、悪の狼(の要素たち。例えば怒り、傲慢や嘘、身勝手さ、怖がり、劣等感など)はその存在を否定すればするほど、力を増します。
また、悪の狼といっても、それらは私達の一部。
自分の存在の一部を否定することになるため、苦しみも増します。
内なる苦しみが増すと、悪の狼の力は大きくなります。
ですので、まずは自分の中にいることに気づいた「悪の狼(の要素たち)」を、肯定するのです。認めることが悪の狼の力を削ぐ次の一歩になります。
これはたとえば「悪の狼に支配されて乱暴な言動をしたり、ニセのプライドから相手を傷つけるようなことを言ったりしましょう。」ということではありません。
存在は認める。
しかし、支配はされない。
ということです。
しかも「悪の狼が自分の中にいることが悪いこと。」と思わずに。
あなたは、テーブルの上にリンゴが置いてあったら、そのことが悪いことだと思いますか?
特にそのことに良し悪しのジャッジをせずに「あぁ、ただリンゴがあるな。」と思いますよね。
悪の狼に関しても同じことです。
「自分の中の傲慢さや臆病さが嫌だ。」と否定するのではなく、
自分の中に「悪の狼(の要素たち)」がいる。
ということを、ただ、認める。全肯定する。
そこに良いも悪いもない。
そういう感覚で認められたとき、悪の狼の力は大幅に減るのです。
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悪の向こう側に到達する。
さらに取り組んでみたい方は、悪の狼の本質にアプローチしてみましょう。
悪の狼は、多くの場合、心の傷や満たされなかった経験から生まれてきています。
その痛みや傷を否定すること無くしっかり味わい尽くすと、その奥に隠れていた私達の本質が姿を見せ始めます。
怒りの奥には、純粋な力が。
弱さの奥には、強さが。
臆病の奥には、勇気が。
孤独の奥には、満足や愛が。
嫉妬の奥には、願いが。
絶望の奥には、希望があるのです。
こういった光たちに到達すると、悪の狼は少しずつあなたの中から姿を消し始めます。全肯定の段階よりもさらに力が弱まりだし、逆にその奥の光の要素があなたの中で強く輝き始めます。
しかし、この3ステップ目に一人で取り組むのはかなり大変です。
しっかりと3ステップ目を自ら歩み、先の光に触れた経験があるセラピストやコーチにお願いすることで、困難な道も回り道せずに歩んでいくことが可能になるでしょう。
私、河野も自らの悪と向き合い続けており、「創りたい人生に向けて、自分の闇を癒やしながら前に進む。」という私のコーチングスタイルはクライアントさんからとても好評をいただいています。
以下の画像をクリックするとコーチングのページに移動します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
より良く生きるためのシンプルな極意=善を選択すること。
「なんだ、そんなことか」と思われるくらい、当たり前のことです。
とはいえ、シンプルですが多くの人にとって簡単なことではありません。
だからこそ、悪の狼の力を削いでいくことが大切になります。
まずは、正直さと勇気を持って、認めましょう。
あなたの中にある「怒り、傲慢さ、強欲さ、冷淡さ、恨み、恐れ、身勝手さ」などを。
そういうものがあっていいんです。
私達は不完全な人間です。
不完全で、悪の要素も持っているからこそ、善を学び、成長することができるのです。
だから、ただ認めましょう。
その存在に気づいて、認めてあげましょう。
それだけで、悪の狼の力は大幅に削がれます。
良い狼に餌をやり続けることが、やりやすくなります。
悪の狼の力を削ぎつつ、「良い狼に餌をやり続ける」という選択をし続けた先には、本当の愛や平和、つながり、安心などが広がっていきます。
その状態を目指して、みんなで少しずつ積み重ねていきましょう。
時間はかかるかもしれませんが、諦めなかったら絶対にたどり着けます。
なぜなら、あなたにはその力があるんですから。
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ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。