この記事では、ついつい自分を責めてしまう人が、自分責めを卒業して、さらに過ちを自己成長につなげるための具体的方法をお伝えします。
失敗した時についつい自分を責めてしまう人、自分責めをやめて成長につなげたい方はぜひ記事を最後まで御覧ください。
Contents
自分責め卒業の具体的方法に入る前の2つの前提確認
それでは最初に、自分責め卒業のための2つの前提を確認します。
1つ目の前提
今回ご紹介する方法はNVC、非暴力コミュニケーションの考え方に基づいています。NVCの前提として、人の全ての言動は、何かのニーズや願いを満たそうとして行われている。肯定的な意図がある、という考え方があります。
ニーズとは、私達人間が心身ともに健やかに生きていくために不可欠なもの。NVCでは例えば 大事にされる、自由、創造すること、聴いてもらうこと、挑戦、成長、安全、などたくさんのニーズがリスト化されています。NVCのことを詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。
2つ目の前提
自分を責める、という表現の前提には、自分の心の中に 責める側と、過ちを犯して責められる側 という2人の人物がいる、ということ。
この「心の中に責める側と責められる側がいる」という認識はとても大事になります。
この2つを踏まえながら、自分責めを卒業する方法を4つのステップで解説します。
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自分責め卒業のステップ1 責める声を可視化する
まずは心の中の二人の人物のうち、自分を責める側の声を明らかにしましょう。自分に対して投げかけている言葉たちを書き出すんです。
たとえば恋人に対して「前の彼のほうが優しかった。」とポロっと言ってしまい、彼がとても傷つき、関係が悪化。自分のことを責めている女性がいたとします。
「なんてひどいことを言ってしまったんだ。」
「自分は大バカだ。」
「あんなこと言うべきじゃなかった。」
などと心のなかで自分を責めてしまっているかもしれません。
こういった言葉たちを書き出すんです。
自分を責める言葉たちを自分に浴びせ続けると本当に苦しいですよね。呼吸は浅くなるし、身体も固くなる。
大切な友人などには決して投げない暴力的な言葉を、私たちは一番大切な自分自身に対して投げつけてしまうのです。
こういった言葉たちを書き出す行為は苦しいかもしれませんが、書き出すことで可視化され、「私、そこまでひどくないよな」というふうに冷静になれることもあります。
さらに、この書き出す行為は次のステップのために必要なことでもあるので、心に耳を傾けて、しっかり書き出しましょう。
自分責め卒業のステップ2 責める声の奥にある感情とニーズを明らかにする
NVCでは「責める」という行為の奥にも、必ずニーズや肯定的な意図がある、と考えます。
ではどんなニーズや肯定的な意図があるのでしょうか。
責める声をよく観察すると、自分が大事にしたかったことを大切に出来なかったり、こんなふうにありたい、と願う姿から逸脱したために責めていることがわかります。
先程の例で言うと「私は大バカだ」「なんてひどいこと言ってしまったんだ」という責める声の奥には、例えば、「彼の気持ちや二人の関係をもっと大切にしたかった。」というニーズや願いがあるかもしれません。
大切にしたかったのに、真逆のことをしてしまったからこそ自分を責めているのです。
このことに気づくと、
「自分は大バカだ」
と自分に刃を向けている状態から
「彼の気持ちをもっと大切にしたかったんだ」
というふうに表現が変化します。
そしてその願いに触れれた時、心理状態は大きく変わります。
自分を責めていた「苦しい身体感覚」から、大事なことが大切にできなかった「悲しみ」などに感情が変化し、涙を流したり力が抜けた感じになったらうまくいっている証拠です。
「私はもっと彼や彼との関係を大切にしたかったのに、それが出来なくて悲しいんだ。」
このように責める側のニーズと感情を整理できると、自分責めのエネルギーは大きく減っていきます。
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自分責め卒業のステップ3 過ちを犯した行動の感情とニーズを探究する
次は責められていた側、過ちを犯した自分の言動について、自分の感情とニーズを探究してみましょう。
「いやいや、あの言動については願いとかニーズとか無いですよ。」
「ほんまに弁解の余地はありません。ただの過ちです。」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、全ての人間の言動は何かのニーズを満たそうとして行っている、と考えると見え方が変わってきます。
たとえば、先程の例「前の彼のほうが優しかった」という言葉をポロっと言ってしまった場合。
この言葉の奥にあるニーズや感情は何でしょうか?
感情としては、優しくされてないと感じて寂しかった、また彼との関係において満たされない気持ちがあったのかもしれません。
そしてこの寂しさや満たされなさの奥には
「もっと優しくされたい」
「大切にされたい」
「今満たされていない、と感じていることを彼にわかってほしい」
こういったニーズや願いが、前の彼との比較という形でぽろっと出てきたのかもしれません。
全然別のケースで言うと、
ぼーっとしていてやってしまったイージーミスも、実は休息が必要だったのに出来てなくて、思考が強制的に休息を取ろうとした結果の過ちかもしれませんし
人を傷つけるような言動をあえてしてしまうときは、自分の中の痛みや苦しみをわかってほしい、という無意識レベルのニーズから行っている場合が多いです。
念のため確認しておくと、これは過ちを起こした言動を肯定しているのではありません。過ちであってもその言動の奥には何かのニーズを満たそうという思いがあった、その事実が大事なんです。
「私のあの言動の奥にはこんなニーズを満たそうとする意図があったんだ」と思うと自分を責める気持ちはさらに減り、自己理解が深まり、自分自身と深くつながることが可能になります。
自分責め卒業のステップ4 ニーズたちを尊重する別の行動は何か考える
このステップでは、明らかになったニーズや願いを尊重するためにどんな行動をすればよかったか、今後すればよいかを考えます。
そうすることで、過ちを 成長に変えていけるのです。
たとえば、先程の彼との関係の例で言うと
明らかになったニーズや願いは
彼の気持ちや彼との関係をもっと大切にしたい
もっと優しくされたい、大切にされたい
今満たされてないことをわかってほしい
でしたね。
これらのニーズをどうすれば満たしていけるか、考えるのです。
どうすれば彼が大切にされたと感じるのか、彼に直接聴いてみるのも1つでしょうし、
前の彼を持ち出したりするのではなく、自分が今「もっと優しくされたいと感じてる」ことをストレートに伝えてみるのも良いかもしれません。
その際には具体的に「どうすれば優しくされた」と自分が感じられるのか伝えると彼に理解されやすいでしょう。
これらはあくまで例であり、ニーズの満たし方は様々な方法があります。
自分なりに考えたり本やネットで検索して行動の選択肢を考えるのもお薦めです。
もちろん考えた選択肢を試してみてうまくいかない場合もありますが、それはその選択肢が駄目だった、というだけの話。また別の方法を考えましょう。
ニーズを満たすための行動の選択肢は、無数にあるのですから。
大事なのはニーズにつながって、それを満たすための行動を試行錯誤すること。
そうすることで私たちは過ちを消化し、成長していくことが可能になるのです。
以上が自分責めを卒業して自己成長につなげる4ステップでした。
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自分責め卒業。この記事で一番お伝えしたかったこと。
いかがだったでしょうか。
自分を責める声も願いの現れ。
そして、すべての言動は何らかのニーズを満たそうとして行われている、という視点を持てると、自分にも人にも優しくなれます。
自分や他者の言動の奥に暖かな眼差しを向けられるようになります。
そういう状態になっていけると、自分を責めることがぐっと減り、とても平和に穏やかに過ごせる時間が増えていきます。
今回お伝えした内容、まずはご自身で試してみてください。
ちなみに今回の方法は 書籍「わかりあえないを超える」に書いてあった方法を私なりに整理したり追加したものです。原点をあたってみたい方はこちらを手にとって読んでみてください。
「わかりあえない」を越える――目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC 単行本(ソフトカバー) – 2021/12/8
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ここまで読んでくださった あなたに祝福の光が降り注ぎ、ますます輝く毎日になることを心から祈っています(。-人-。)
河野雅(こうのまさし)@輝くヒントでした。
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