[コーチングで独立・仕事にする]専業プロコーチインタビュー04:パーソナルコーチ 深井沙織さん。

 

パーソナルコーチ 深井沙織

1971年、長野県諏訪郡生まれ。

一卵性双生児の第一子として生を受ける。よく似た妹に間違えられるたびに、「自分なんて、他の人から見たら、どっちでもいい存在なのだ」と存在価値を脅かされながら幼少期を過ごす。物心ついた時から、その妹と自分との違い、この世界に生まれてきた意味を考えていた。1990年 大東文化大学に入学のために上京。

1994年 整形外科医院 事務マネージャとして勤務開始。

2006年 趣味の吹きガラスのお教室で「コーチ」という人に出会い、コーチングを受け始める。

2007年 CTI応用コースを卒業し、コーチングを医院業務に適用しはじめる。

2011年3月 整形外科医院 退社。

2011年 Smile spaceを立ち上げ、パーソナルコーチとして独立する。

◆資格等

米国CTI認定 プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(CPCC) 2011年取

リズ・ブルボー<からだ>の声を聞きなさいスクール レベル3 カウンセリングコース・講師コース修了 2014年

ソウルプランリーダー養成講座修了 2015年

 

専業プロコーチ・インタビューシリーズの背景や意図はコチラの記事を御覧ください。

[コーチングを仕事にする] 専業プロコーチ・インタビューシリーズをはじめます。

2016.03.31

 

ーーまずは、今のコーチングの仕事の状況をお教えください。

 

クライアントさんはだいたい10~15人くらいです。男女比は今は3:7くらいです。

今までを振り返ると、だいたい男女比は同じくらいです。コーチングを受けるのが初めてとか、他で受けたけれどうまく機能しなかったというクライアントさんがほとんどです。

 

価格は一般の方と経営者の方で変えさせていただいています。

他にも状況や単発のセッションなどで細かく料金設定していますが、一般の方はだいたいコーチング1回15,000円くらいでしょうか。

経営者・エグゼクティブの方は1回5万円です。

 

※インタビュー中の料金などは全て2016年10月時点のものです。最新の深井さんのコーチングのメニュー・料金はコチラ:深井沙織公式ホームページ・セッションメニュー

 

私の全体の収入の8割くらいがコーチングになります。あとの2割は企業での研修や一般公開のワークショップをやっています。

 

コーチングセッションはスカイプを基本としているんですが、対面を希望されるクライアントさんが増えてきています。私のブログやHPの内容を読んでクライアントさんになってくれる方も結構いらっしゃいます。

 

ーーコーチングのクライアントさんにはどんなことを感じておられますか?

 

クライアントさんは、何かを変えたいという切実な想いでいらしてくださっていると思うのです。人生の転機を感じたり、自分の人生を見つめ直すためにいらしてくださっている方もいます。

 

変化することって、すごく勇気のいることだと私は思います。

目の前のクライアントさんに対して、今 私に何ができるのか、いつも いつも問われている感じがしています。

そして、今、という瞬間につながりを持たせてもらってすごくありがたいという想いがいつもあります。

クライアントさんを通じて、相手の方の人生を体験させてもらっている感覚があるんです。

 

「こういう考え方ってあるんだ。」

「こんなことって起こるんだ。」

 

って思うことがよくあります。

 

実際、奇跡みたいなことを起こしている方もいらっしゃる。ご本人がなかなか進まないと感じている中にも、その人なりのプロセスがあって、変化を一緒に体験ができる。その人の人生のすごく大切なところに立ち会える。

これは、言葉では言い表すことができないくらい美しい時間です。

 

さらに、クライアント契約が終わったあともずーっと繋がっている感覚があって、その暖かい繋がりを感じて生きられるって本当に嬉しいしありがたい。

 

「ありがとう。」しかないですね。

 

ただ、今の状態になるまでには、長い長い時間がかかりました。

 

コーチングに出会うまでは、「どん底」状態。

 

ーーでは、その長い道のりについて教えていただけますか?

 

私とコーチングとの出会いは、2006年に「コーチ」という肩書の人に出逢ったのがきっかけです。

 

当時の私は整形外科で事務の仕事をしていました。が、仕事も友人関係もパートナーとの関係も全部うまくいかない状態で、嫌なことがあると全部周りのせいにして自分の運の悪さを嘆いていました。

でも、何かを変えたり新しいことを始めたりする勇気もなくて、不幸が通り過ぎることをただただ願っているような、そして生きることに絶望しているような、そんな状態でした。

本当に苦しかったです。

 

「もうこんなのは嫌だ!」と思って行った箱根の一人旅で、クラフトハウスで吹きガラス体験をしたんです。出来上がったガラスのグラスが愛しくて、「これ、やりたい!」って思って、近くでやれる教室を探しました。大泉学園に吹きガラスの工房を見つけて、通い始めました。これは、初めて自分にご褒美をあげたような体験でした。

 

その工房でコーチという肩書の方と出逢ったんです。私が34歳の時でした。

 

 

ガラス細工

 

 

コーチングを受けはじめ、人生に変化が。いつしか自分もコーチングしたいと思うように。

 

当時はコーチングがなんなのかも全くわからなかったのですが、自分の人生をなんとかしたい一心でガラス工房で出会ったコーチから毎週30分のコーチングを受け始めました。

 

最初は、「転職をしたい」というのがテーマでした。「転職したい」と言いつつ、最初は「もうこんな職場は嫌だ。」といったような愚痴を話していました。

 

でもコーチは、そんな私の話を暖かく、時にはユーモアを交えながら注意深く聴いてくれました。

ネガティブな話の奥にある私が大事にしていること、願いや想いに焦点を当ててくれました。そして、望んでいることは何か聴いてくれました。

 

ーーコーチングとの出会いは、クライアントとして、だったのですね。

 

そうなんです。そして、コーチングを受けていく中で自分自身が変化していきました。

 

例えば、当時の私の世界といえば職場と家との往復だけだったのが、その時のコーチが主催するコーチングセミナーに行ってみたり、アクティブ・リスニングのセミナーに行ってみたり。それまで手に取ることのなかったような本を買って読んだりするようになりました。

あんなに嫌だと思っていた職場のことは、ただ人間関係に行き詰まりを感じているだけで、仕事自体は好きなこと、好きな仕事をちゃんと選んでいたということが明確になり、自分に納得できました。

なので、「学んだことを仕事にどうやって活かそうか」と考えるようになり、仕事に使命感みたいなものを持って働けるようになりました。

 

ーー「どん底」の状態から大きな変化ですね。

 

そうですね。コーチングを受け続けることで確実に変化していったと思います。

 

そして、いつしか「自分でもコーチングを学びたい。多くの人のために自分を使いたい。」と思うようになったんです。

そして、2007年にコーチ養成機関CTIジャパンに通い始めました。

 

 

CTIジャパンでコーチングを学ぶも、探求の旅に出る。

 

2007年の5月にCTIジャパンのコーチングの基礎コースを受講。

そこから応用コースに進み、コースの中で、「私はコーチになります!」と泣きながら宣言もしたんですが、応用コース修了後、私は旅に出たんです。

 

ーー旅ですか?

 

はい。正確に言うと、実際の旅ではなく、探求の旅ですね。

 

「コーチングって何?」

「私はどうすればコーチになれるんだろう?」

 

という問の答えを探す探求の旅に。

 

ーー詳しくお聴かせください。

 

CTIジャパンのコーチングのワークショップの中で、素晴らしい体験もそうでない体験も沢山したけど、「コーチングって何?」と言われても説明ができなかったんです。

当然、言葉で表現しようとすれば言えないことは無いのですが、自分の本当の言葉としてコーチングが語れない。

 

さらに、実際にリードしてくれているトレーナーを見ているとすごいんですよ。

 

ーー何がすごいんですか?

 

何でも「いいね。」と心から言ってるんです。

 

参加者には当然色んな人がいて、いろんなことを発言しだした時に、「なんでここでそんなこと言うの?」みたいに私は反応したり怒ったりしてたんです。

ですが、リーダーは、それをみんな「いいね。」と受け止めていたんですね。

 

CTIジャパンのワークショップの学びの場では、「誰一人として間違っている人はいない」というたった一つのルールがあるのですが、それを見事に体現してくれていました。

基礎コースを一緒に受講していた仲間が「あのリーダー、スポンジみたいな人。何でも吸収するね。」って言ったんです。

 

「本当にそうだな。」と思いました。

 

同時に

 

「誰一人として間違っている人はいない、なんて私は思えない。」

「そう思えない自分は、コーチになれないのではないか。」

「人のことを受け入れることができないと、コーチングを仕事にできない。」

 

そんな声が自分の中にありました。

 

なので、「誰一人として間違っている人はいないと思えるにはどうしたらいいか?」という探求の旅に出たんです。

 

旅に出よう。

 

 

探求の旅を続けながら、コーチングを提供し始める。

 

ーー「旅」の間は具体的にどのようなことをされていたんですか?

 

整形外科の仕事は続けながら、CTIジャパンで学んだコーアクティブ・コーチング®に影響を与えているんじゃないかと言われている様々な手法を学びました。

フォーカシング、ハコミセラピー、プロセスワーク、NLP・・・。実際に受けに行ったり、ワークショップに参加したり、本を読んだり。

 

また、コーチングの勉強も続けていました。

CTIジャパンの基礎コースの仲間でコーチング勉強会を月一回やっていました。

その仲間からの提案で、コーチングのことだけでなく、エゴグラムとか、インプロとか、「箱セミナー」とか、MBTI とか、未知のことを体験することもできました。それが全部糧になっています。素晴らしい仲間に出逢えたのも財産です。

この勉強会に関しては私だけがしつこく続けて(笑)、結局4年位やりました。

 

ーー沢山の様々な学びを重ねられていったんですね。

 

はい。3年間、学びを広げたり深めたりしていました。いろんなことを知ることが楽しかったし、自分のことを知ることにもつながっていました。自分のことを知れると嬉しいですよね。

学んだことは職場で患者さんに試してみて、関係が劇的に良くなるというような体験もしました。でも、同僚に対しては「もっとこうすれば」という思いが出てきて対立することもありました。

職場で学びを活かすことは出来たりできなかったりで、自分が「良い」と思っていることを職場に持ち込むことの困難さも体験しました。

 

ーー職場以外でコーチングはされていたんですか?

 

ありがたいことに、参加したワークショップなどで「私、コーチングをしています。」というと、「じゃあ、コーチングをしてください。」と言ってくださる方がいて、細々とやっていました。

その人たちがいたから、コーチでいさせてもらった、と思います。

 

当時は正直、「いいの?私で。」という気持ちもありました。

 

応用コース修了後、CTIの上級コースまでのあいだは1時間2千円くらいでコーチングを提供していたと思います。

 

芽が出る。

 

仲間からの応援。そしてある人の言葉でコーチングの上級コースへ。

 

ーーもともとCTIジャパンの上級コースには行かれるつもりだったのですか?

 

当時は「私は資格とらないとコーチになれない。」と思っていました

一流企業で華々しい活躍をしていたわけではなく、人材育成の分野で際立った教育を受けて実践していた、という訳でもなかった。

そんな私がコーチとしてやっていくには、資格がなければ、どこの馬の骨ともわからないわけです。クライアントになってくださる方の安心材料として、また、自分を表す一つとして、資格というものは絶対に必要と思っていました。

 

CTIジャパンを選んだのは「国際コーチ連盟の認定資格を得られる。」というのもありました。

なので、資格取得ができるCTIジャパンの上級コースには最初から行きたいと思っていました。

 

ただ、先ほど言ったような理由でなかなか申し込めなかったんです。

 

ーー何がきっかけで上級コースに申し込まれたんですか?

 

色んな学びをしていく中で、それまでは心理系の学びが多かったんですが、ある時にご縁があってビジネス寄りの講座に参加したんです。

福島正伸先生の、当時の私にとっては高価な講座に参加したのが直接的なきっかけでした。

 

この講座の中で、参加者の皆さんに「コーチングの上級コースにそろそろ行きたいけど、クライアントが5人必要なんです。」

と言ったら、「クライアントになっていいよ。」とおっしゃってくださる方が何人か現れて、それで上級コースに行けることになったんです。

 

※河野注:CTIジャパン上級コースでは、「有料のクライアント5人以上と契約してコーチングを提供する。」というのがコースを受講するための条件になっています。

 

あとは、ちょうどその頃、ある人に言われた言葉がきっかけになりました。

 

「深井さんはスポンジみたいな人だから、みんなが集まってくるんだね。」

 

と言われたんです。

 

ーーコーチングの基礎コースのリーダーと同じ喩えをされたんですね。

 

そうなんです。

 

それを言われた時に、

 

「いいんだ。なりたかったものに私は今、なれているんだ。」

 

と思えたんです。

 

なれてた!

 

これも大きかったですね。

実際に協力すると言ってくれている人もいるし、今なら行けると。

 

それで2010年の10月に上級コースに申し込みました。

応用コースを修了してから、ほぼまる3年経っていました。

 

コーチングの上級コース開始。人と関わる土台をつくる。

 

ーー上級コースがはじまってからどうやってクライアントを獲得していかれたんですか?

 

先ほど言った、福島先生の講座で協力してくださった人達が3~4人。

 

あとは、別の講座に参加してそこで出会った人。

それまでの学びの中で出会ってきた人たち。

 

「コーチングをしているんです。」「じゃあ、お願いします。」

 

こういうことがチラホラあって、ありがたいことに上級コース中はクライアントさんが5人以下になることは無かったです。当時は1時間5千円でやっていました。

 

ーー実際、上級コースに進んでみていかがでしたか?

 

5人の有料のクライアントさんを持つことが私にとっては大きな壁でしたが、実際にコーチとして生計を立てるにはクライアント獲得を積み重ねるしかないわけです。その覚悟ができたというのが良かったです。

超えてみたら何のことはない壁で、もっと早くやれば良かったな、と思ったりもしました。

 

コーチングの学びについては、「思ったようにできない。」と弱気になる時もありました。

さらに、母が手術を受けたり、上級コース終了間際に仕事を辞めたりと、自分の人生の転機もあったんです。

そんな状況で落ち込んだり涙した時も、仲間やトレーナー、そして自分のコーチが愛のある関わりで支えてくれました。

 

当時の私はどちらかといえば、よく自分を責めて落ち込んでいたのですが、関わってくれた人たちのおかげで自分の弱さも強さも認められたことが大きな学びでした。

 

今思うと、上級コースでは人と関わる際の土台づくりをしていたように思います。

 

根をおろす。

 

 

仕事を辞めてコーチとして独立するも、苦境に直面。

 

ーー上級コース終了間際に仕事を辞められたんですね。

 

そうなんです。話が前後するんですが、上級コースが始まる前に職場で当時の私からすると、「絶対に許せない!」みたいなことが起こったんです。

で、あんなに辞めたいと思って辞められなかった職場に辞表を出してしまいました。そうは言っても結局その後、半年弱は働いていたんですけども、上級コースが終わる一ヶ月前頃に職場も退職。

 

2011年3月、東日本大震災の直後でした。

 

仕事も退職して、やるしかない。背水の陣でしたね。

 

背水の陣で退職して、コーチとして独立。試験も合格して、プロコーチの資格(CPCC)を取得し「なんとかやっていくぞ。」と頑張りました。

 

ただ、なかなか結果がついてこない。クライアントさんが増えない。

 

経済的にどんどん苦しくなっていきました。当然ですよね。安定した収入が無いんですから。

 

「これじゃ食べていけない。」という不安。平穏でいたいのに、全く平穏な心になれない。

 

なのに何も出来ない。動けない。営業苦手だし。

 

当時は不安で不安で、

 

「私どうしよう。」

 

と思っていました。

 

そしたら、その不安が身体に現れて、具体的にはその年の年末に子宮筋腫がねじれて入院、手術をしました。

 

当時は「もう、こんなのは嫌だ。」と病室で泣いていました。

 

もう、こんなのは嫌だ。

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ABOUTこの記事をかいた人

阿蘇のふもとで、ライフコーチをしています。オーラソーマティーチャーである嫁さんと二人暮らし。株式会社みちあふれる輝き代表取締役。 プロコーチを目指す方のトレーナー、ブレスワークなどの身体に直接アプローチするメソッド、自然の中でのワークショップなどもしています。 このブログのコンセプトは、「楽しく」「ゆるく」「役立つ」。 私が10年にわたるコーチング経験などを中心に得た「人生に役立つ・毎日が楽しくなる・効果がある知恵・情報」をお届けしています。